資産運用の基礎知識

寝かせておくだけじやいつまでも増えません

お金は、そのままタンスの奥にしまつておくだけでは少しも増えません。でも、銀行に預金すれば、満期日に預けたお金に利息がついて戻ってくる。つまりお金がお金を稼ぐというわけです。これが運用です。

運用には、預金以外にもいろいろなやり方があって、株式や債権などもあります。将来の値上がりを期待するという意味で、土地や建物などの不動産を買う人もいるでしよう。

どれの運用を選んだらいいかは、その人の状況や持っているお金の額によっても違います。

銀行預金のように元のお金を減らすことがないやり方もあれば、株式のように、大きく株価が上がって得をする場合もあれば、株価が下がって元のお金を割り込む場合があるものもあります。順調に増えていくものもあれば、周囲のいろいろな条件によって、増えたり減ったりを繰り返すものもあります。

つまり上手に運用するためには、どんな運用の種類があるか、自分はどうしたいのか、運用の途中でどんなことが起こる可能性があるのかということを、ちゃんと知っておいて、一番ふさわしい方法を選ぶことが大切なのです。

どうしてそうするのか、どうしてこうなるのか、ということを理解していれば、何かおきたときにもあわてずにすむからです。

リスクとリターンの関係

お金を運用して利益がでることを「リターン」といいます。
では、リスクがあるは損をすることかと言うとそうではなくて、運用には得をする場合も損をする場合もあって、先の見通しが
はっきりしないことはリスクです。

「リスクが大きい」とは損が大きいということではなく、価格の振れ幅等が大きいということになります。
また、お金の運用において、一般的に、リターン(収益)が大きければリスク(損をするかもしれない可能性)も大きくなり、リスクが小さいものは、リターン
さくなります。

リスクなしにリターンを得ることはできないという意味でリスクとリターンは「トレ一ドオフ」の関係にあるといわれます。

運用においしい話はありません

「とても儲かって、しかも絶対に損はしない」というようなおいしい話は、運用にはありません。

「損はしたくないなあ」という人は、損をする可能性の小さい運用をすれぱいいわけで、その代わり得をする可能性も小さくし運用することになります。反対に、
たくさん儲けたいと思えば、それなりに損をする可能性があることを覚悟しなければいけないということです。

運用に絶対儲かるはありませんのでご注意ください。

運用結果に影響を与えるリスク

運用のリスクといつてもいろいろな種類があります。

自分の運用する金融商品にどのようなリスクがあるのか理解することが大切です。


為替リスク

日本円と米ドル、ユーロ等、外国通貨への交換レー卜は常に変動しています。外貨預金等の外貨建ての金融商品は、円に換算する際に、その時点のレートによつて資産価値が増えたり目減りしたりする
ことがあります。これが為替リスクです。


価格変動リスク

株式の価格(株価)に代表されるように、価格が上下に変動するリスクです。
例えば株価はその会社の業績や、会社の属している業界の動向等に左右されます。


金利リスク

金利は景気や政策等によって変動します。 預金金利や債券の金利はこの金利動向に影響を受けて変動します。


信用リスク

株式や債券を発行している会社の経営状態の変化が、株価や債券価格に 影響を与えるリスクです。
会社の経営が悪化すると、信用リスクが高まり、発行している株式や債券の価值が下がリます。
その他に、為替通貨の価格に影響する物価上昇に伴うインフレリスク、国の財政状態によるカントリーリスク等があります。

自分の性格からリスク許容度を考えてみる

誰でも損はしたくないものですが、それでも自分ならどれくらいのリスクを許せるか、許容範囲と
して納得できるか、という度合いを「リスク許容度」といいます。

自分にあったリスクの許容度を正しく考えましょう。

損をすると思ったら心配で夜も眠れない、という人はリスク許容度が超えています、
これくらい儲かるなら、同じくらいすることがあつてもしょうがないな、と思える人はリスク許容度が範囲内におさまっていると言えます。

分散投資でリスクを分散しよう

リスクから逃げているだけでは、お金は一向に増えませんし、浔の手立てもなくただ受け入れればいいというものでもありません。
目分の選んだ商品がどんなリスクを持っているかを認識して、それと上手につきあっていけぱいいのです。
リスクと上手につきあうということは、リスクを軽くするということです。
なくすことはできなくても、輊くすることはやり方を考えることで可能です。

リスクを軽くする方法として、まず「分散投資」という方法があります。その名の通り、「リスクを分散jして1つ1つのリスクを小さくしようとするのです。全部のお金をリスクのある1つの金融商品につぎ込むと、それが大きく値下がりした場合に、そのリスクをまともに受けてしまいますが、いくつかの金融商品に分けておけば、その中の1つが値を下げても、他のものが下がらない、あるいは値が上がれば、1つの商品で被った損を力パーできるという考え方です。

この場合に該当するためには、いくつかの分けた金融商品は、同じ種類のリスクを持っていないという点が重要です。

例えぱ金利の動きに影響を受ける商品と、業界や企業の業績に影響を受ける株式等で運用するというような組み合わせです。

長期運用を心がけあわてずにじっくリ取リ組む

分散投資と並んで、投資の基本といわれているのが「長期投資」。目先では価格の変動幅が大きな株式でも、長期でみれぱ全体に値上がりしているとして過去のデータに基づいた考え方です。

例えば株式は価格変動幅の大きい商品ですが、長期にわたって保有すれぱリターンの振れ幅が相対的に小さくなります。

確定拠出年金の運用は、老後のための資金を目標にしていますから、若い人であるほど運用期間を長く設定することができます。
多少リスクが大きくても長期間で成長が見込める商品で思い切った運用を行うこともできるでしよう。

時間を見方につけることも、上手な投資のやり方です。

しかしながら、運用期間が長くなれば、運用の途中で損失が顕在化するリスク(株式や債券の発行企業が倒産して債務不履行が生じる等)も高くなります。

安定運用と積極運用を心がけよう

上手に分散投資をするということは、どういう商品を選んでどのようにお金を配分するかを考えるということです。
長期間投資する間には、最初に商品を選んだときとは経済の状況や自分自身の事情等、いろいろな条件が変わってくることがありますから、そのときに改めて状況に応じた商品を選択することが必要です。

どのような商品をどれくらいずつ組み合わせるかという配分を「ポー卜フォリオ」と呼びます。ポー卜フオリオは人それぞれにあったものを作って運用することが大切です。
これまでに説明してきたように、必要な金額、運用できる年数、リスクやリターンの度合い、自分のリスク許容度等を考えて、自分の運用のプランを考えましょう

確定拠出年金では、リスクリタ一ンの度合いの異なるいくつかの商品が提示されることになっています。
リスクの高い商品の比率を大きくして、リスクをとって高い収益を選択するのか、あくまでリスクを抑えた安定的な運用で堅実にいくか。
どうしたら、リスクを分散させて上手な運用ができるかを考えて、自分だけのポートフォリオを作りましょう。

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作成日:2015年10月24日
更新日:2015年10月24日
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